2010年代で起きた変化

ベンチャー支援

タスキー株式会社ではベンチャー支援事業を展開しています。前回は、初回の投稿としてイノベーションをテーマにした内容にしましたが、今回は過去10年で起きた変化について少し考えてみました。

2020年になり、東京オリンピックも間近というタイミングで新型コロナウイルスが出現し、世界レベルで深刻な影響を受けています。まだ感染拡大の収束の見通しは不透明ですが、この事態が収束した後は、人々の働き方や消費行動など、今後の人々の生活に何らかの変化が起きるのは間違いないと思います。

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Marc Andreessen(マーク・アンドリーセン)というIT業界では伝説的な人物がいます。この方は、1990年代のインターネット黎明期にブラウザソフト「Netscape Navigator」を開発し、Microsoftの「Internet Explorer」と激しいユーザー獲得競争を展開した末に敗れて、事業を売却します。その後、IT関連の会社を2社創業して、いずれも大きく成功させた後に、ベンチャーキャピタルを設立して、Skype、Facebook、Twitterなど成長性が著しく高い企業へ投資して大成功を収めています。
そんな方が、9年前の2011年にThe Wall Street Journal(WSJ)に寄稿したコラム「Why Software Is Eating The World(訳:なぜソフトウェアが世界を喰うのか)」が当時話題になりました。このコラムで彼が主張したのは、Amazon、Google、Netflixのようなソフトウェアカンパニーが、あらゆる産業の構造を変えていくといった旨の内容になります。 彼の主張の通り、この10年で、ハードウェア・ソフトウェア・通信インフラの技術発展に伴って、人々の生活様式が変化し、多くの業界(特に小売業界)で産業構造が変化しています。今後もこの変化は続くと考えられます。

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特に、この10年でAppleのiPhoneに代表されるようなスマートフォンが、中国・韓国メーカーの大躍進もあり、世界中に劇的に普及した点は、最も大きな変化だと思います。(余談ですが、iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブスは2011年に逝去されました。)
スマートフォンの便利さは、今さら書くまでもないと思いますが、世界で50億を超える莫大なユーザーを対象にビジネスを上手く展開できれば、劇的な成長が遂げれるようになるため、Google(検索)、Amazon(EC)、Facebook(SNS)、Netflix(コンテンツ配信)といったFANGと呼ばれるようなITジャイアンツのみならず、Uber(配車サービス)、Airbnb(民泊仲介サイト)といったシェアリングエコノミーの代名詞のようなベンチャーが、短期間で世界規模で事業展開をする規模まで成長しました(なお、Uberは2009年、Airbnbは2008年に設立されました。)。そして、詳細は割愛しますが、スマートフォン普及によって、サービスのクラウド化やキャッシュレス化も大きく発展したといえるでしょう。

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また、機械学習・音声認識・画像認識などに代表される人工知能や、様々なものがインターネットにつながることを意味するIoTについても、2010年代後半に注目を浴びるようになりました。人工知能の身近な例として、Googleの翻訳精度の向上や、音声入力の認識精度向上、空港での顔認証ゲートなどが挙げられます。IoTの身近な例としては、ユニクロの商品に付いているRFIDタグが分かりやすいかと思います。RFIDタグから発する電波によって非接触で情報をリアルタイムで読み取れるため、生産・物流・在庫・販売管理のみならず、レジ業務まで効率的になります(最近はセルフレジを積極導入しているので、便利さを実感した方も多いと思います。) 。
他にも自動運転、ブロックチェーン、3Dプリンター、ゲノム編集技術などなど、書き出すとキリがないぐらい色々な技術が登場し、世の中に変化が起きてますが、新型コロナウイルスによってこれらの変化が抑えられることはなく、むしろ促進されるかもしれないと私は考えます。特に、人間(の作業)に依存しないための技術やサービス、情報処理の高速化・高度化の技術は、今まで以上に重視されて、発展していくのではないでしょうか。 企業にとっては、産業構造の早い変化にタイムリーに対応することが、以前よりも求められるかもしれません。

ベンチャー支援

ここまで偉そうなことを書いたものの、様々な分野で変化が起きすぎているため、どんな産業構造の変化が起きるか、今から10年後どころか3年後ですら正直予測できません。こんな目まぐるしく変わる世界ですが、私ができることとして、今後も世の中の変化にアンテナを張り続けていくことで、時代の変化に取り残されないよう努力し、お客様に役立つような知見を還元していきたいと思います。

タスキー株式会社 取締役
公認会計士・日本証券アナリスト協会検定会員 林俊之